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高田 弘; 春日井 好己; 中島 宏; 池田 裕二郎; 猪野 隆*; 川合 將義*; Jerde, E.*; Glasgow, D.*
JAERI-Data/Code 2000-008, p.84 - 0, 2000/02
ASTE共同実験の一環として、ブルックヘブン国立研究所のAGS加速器施設において、厚い水銀ターゲットに1.6,12及び24GeV陽子を入射する核破砕実験を行った。実験では、しきい値で0.3~70.5MeVにわたるIn(n,n')In,Nb(n,2n)Nb,Bi(n,xn)などの反応を放射化検出器として用いて、ターゲット側面における反応率分布を測定した。In(n,n')In反応率分布から、1.6GeV陽子入射の場合に核破砕中性子強度分布は水銀ターゲットの半球状入射面の頂点から11cmの位置でピークとなり、ピーク位置は入射エネルギーの増加とともにターゲット底面方向に移る特性があることがわかった。同様な結果はほかの放射化検出器の反応率分布においても観測された。本レポートでは、実験方法及びすべての実験結果を数値データとしてまとめた。
Sukhovitskii, E. S.*; 岩本 修; 千葉 敏; 深堀 智生
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(2), p.120 - 127, 2000/02
飽和結合様式を用いる軸対称の硬回転体模型に基づくチャンネル結合理論によって、150MeVまでのエネルギー領域でのUの核子入射反応に対する光学模型ポテンシャルの推定を行った。中性子及び陽子の散乱断面積と中性子の全断面積をほぼ実験誤差内で記述できる光学ポテンシャルを得ることができた。このポテンシャルを用いて計算された、10MeV以上の中性子に対する吸収断面積は従来の計算値より10%程度大きな値となった。
千葉 敏; 戸ヶ崎 康*; 茨木 正信*; 馬場 護*; 松山 成男*; 柴田 恵一; 岩本 修; A.J.Koning*; G.M.Hale*; M.B.Chadwick*; et al.
Physical Review C, 58(4), p.2205 - 2216, 1998/10
被引用回数:16 パーセンタイル:65.79(Physics, Nuclear)入射中性子エネルギー11.5,14.1及び18.0MeVにおけるLiからの中性子放出反応の二重微分断面積を測定した。このデータ及び他の測定により得られたデータを基に、Liの中性子全断面積と弾性散乱の角度分布を5MeVから数10MeVにわたるエネルギー領域で再現できる光学ポテンシャルを構築した。このポテンシャルは、DWBA理論による計算を通して、第一励起準位(励起エネルギー2.186MeV)への非弾性散乱の角度分布をも良く再現できることが分かった。次に、連続状態への遷移に伴う中性子スペクトルの解析を、終状態における相互作用模型をDWBA形式に拡張したモデルを用いて、3体崩壊に伴う重陽子とアルファ粒子n相互作用が支配的であるという仮定の基に行った。この仮定及び模型は、Q-値範囲で-9MeVまでの低励起状態に対応する遷移の中性子スペクトルを良く記述できることが判明した。一方、入射中性子とLi内のアルファ粒子の準弾性散乱に対応するQ-値領域では計算値とデータの一致は良好でなく、準弾性散乱の寄与が無視できない可能性が示唆された。
茨木 正信*; 馬場 護*; 松山 成男*; 千葉 敏; 戸ヶ崎 康*; 柴田 恵一; 岩本 修; A.J.Koning*; G.M.Hale*; M.B.Chadwick*
JAERI-Research 98-032, 28 Pages, 1998/06
入射中性子エネルギー11.5,14.1及び18.0MeVにおけるLiからの中性子放出反応の二重微分断面積を測定した。このデータ及び他の測定により得られたデータを基に、Liの中性子全断面積と弾性散乱の角度分布を5MeVから数10MeVにわたるエネルギー領域で再現できる光学ポテンシャルを構築した。このポテンシャルは、DWBA理論による計算を通して、第一励起準位(励起エネルギー2.186MeV)への非弾性散乱の角度分布をも良く再現できることが分かった。次に、連続状態への遷移に伴う中性子スペクトルの解析を、終状態における相互作用模型をDWBA形式に拡張したモデルを用いて、中性子、重陽子と粒子への3体崩壊において、重陽子と粒子の相互作用が支配的であるという仮定の基に行った。この仮定及び模型は、Q-値範囲で-9MeVまでの低励起状態に対応する遷移の中性子スペクトル及び角度分布を良く記述できることが判明した。一方、入射中性子とLi内の粒子の準弾性散乱に対応するQ-値領域では計算値とデータの一致は良好ではなく、準弾性散乱の寄与ができない可能性が示唆された。
高田 弘; 春日井 好己; 中島 宏; 池田 裕二郎; 大山 幸夫; 渡辺 昇*; 新井 正敏*; 鬼柳 善明*; ASTE-Collaboration
Proc. of 14th Meeting of the Int. Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-14), p.468 - 477, 1998/00
核破砕水銀ターゲットの開発の一環として、AGS加速器施設に、半球形状の端部を有する内径20cm、長さ130cm、厚さ2.5mmのステンレス容器に水銀を充填したターゲットを設置し、これに1.5,7.0及び24.0GeV陽子を入射する核破砕実験を行った。ニュートロニクス実験として、In,Al,Bi等の放射化検出器を用いてターゲット側面における反応率分布を測定した。しきい値0.4MeVのIn(n,n')In反応率データをもとに核破砕中性子強度分布を評価した。得られた分布は、1.5GeV陽子入射の場合、ピーク位置11.5cm、半値幅29cmであり、24.0GeVの場合にはピーク位置19.6cm、半値幅44cmとなり、入射エネルギーが増加するにつれてピーク位置が深くなるとともに広がる特性を有することがわかった。1.5GeV陽子入射についての計算コードを用いた解析では、入射位置近傍を除いて、計算は実験値をおおむね再現することがわかった。
桜井 淳
日本原子力学会誌, 39(3), p.231 - 236, 1997/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)Nb(n,n')Nb及びHg(n,n')Hg反応の中性子断面積及びコバリアンス・マトリックスの評価手順について詳細に記述してある。U核分裂中性子スペクトルに対する平均断面積は、Nb(n,n')Nb反応に対して0.99、Hg(n,n')Hg反応に対して0.86である。これらのデータは、JENDL Dosimetry File及びその改良版に収納されている。Nb(n,n')Nb反応は、原子炉圧力容器のサーベイランス・ドシメトリーに有用である。Hg(n,n')Hg反応は、臨界実験装置のような低い中性子束での照射場における高速中性子測定に有用である。特に、Hg(n,n')Hg反応の評価済み中性子断面積は、評価済み中性子データファイルに初めて導入されたものである。
桜井 淳
核データニュース(インターネット), (17), p.21 - 27, 1982/00
JMTRの0.1~1MeV領域の中性子スペクトルを評価するために、新しいしきい検出器を開発した。本稿においては、新しいしきい検出器Hg(n,n')Hgの核データ(abundance,half-life,gamma branching ratio, neutron cross section)を整理し、また弥生炉中性子標準場における実証実験について述べる。Hg(n,n')Hg反応は比較的neutron cross section が大きく、また生成核の半減期が42.6分なので、critical assemblyのように低い高速中性子束での照射でも十分定量可能な放射化ができる。またしきい値がIn(n,n')In反応よりも低いので、Rh(n,n')RhおよびIn(n,n')In反応とともにreactor dosimetryにおいて利用しやすく、また有用なしきい検出器になるであろう。(本稿は、著者の学位論文「原子炉中性子線量評価法の実験的研究」の第3章「新しいしきい検出器Hg(n,n')Hgによる中性子スペクトルunfoldingの試み」の概要をまとめたものである。)
桜井 淳; 近藤 育朗; 中沢 正治*
Journal of Nuclear Science and Technology, 18(12), p.949 - 956, 1981/00
材料試験炉の中性子スペクトル評価実験において、しきい値が0.1MeVのしきい検出器Ag(n,n')Agを導入し、実用化実験を行なってきたが、本実験はこのしきい検出器の信頼性の実証実験である。 今回の実験を通していくつかの重要な点が明確にできた。すなわち、弥生炉標準場でAgを含む14種のしきい検出器を照射し、その実験的に決定した反応率と計算で決定した反応率の差は、すべての反応に対して10%以下であり、このことは今回導入したしきい検出器Ag(n,n')Agの信頼性を実証したことになる。また、Ag(n,n')Ag反応と同時にAg(n,2n)Ag反応やAg(n,p)d反応なども起こるが、これらの反応により生成された放射能は、Ag(n,n')で生成されたAgの放射能測定には影響しない。Agの半減期は44.3secであるが、半減期が短いことが決定的な欠点にはならず、0.1MeV以上の中性子スペクトルを測定する上で有用なしきい検出器となる
桜井 淳
原子力工業, 25(10), p.60 - 62, 1979/00
JMTRの中性子スペクトルはJMTRCを用いて20種のしきい反応を利用して測定されている。これまでに使用してきたしきい反応は、Eu(n,)Eu,Dy(n,)Dy,Au(n,)Au,Lu(n,)Lu,Eu(n,)2u,Cu(n,)Cu,Mn(n,)Mn,5n(n,n')In,Ag(n,n')Ag,In(n,)In,Rh(n,n')Rh,U(n,f)FP,Al(n,)Na,Mg(n,p)Na,Ni(n,p)Co,Fe(n,p)Mn,Fe(n,p)Mn,Ti(n,p)Sc,Ti(n,p)Sc,Ti(n,p)Scである。上記反応のうち、Ag(n,n')AgおよびRh(n,n')Rh反応により生成された放射能の絶対測定は、高純度Ge検出器を使用してX線を測定する方法で行われている。本稿においては、高純度Ge検出器によるX線測定、特にAg(n,n')AgおよびRh(n,n')RhのX線測定により絶対放射能を決定する方法を解説する。
杉 暉夫; 西村 和明
JAERI-M 7253, 51 Pages, 1977/09
Fの高速中性子断面積の評価を、全断面積、(n,n)、(n,n')、(n,2n)、(n,)、(n,)、(n,d)、(n,t)、(n,n')、(n,n')、(n,n')、(n,n')、(n,)反応について行なった。評価断面積は原則として実験データにもとづいて定めたが、次の場合には理論上のモデルを用いて計算した。すなわち8.5MeV以上の全断面積には光学モデル、非弾性錯乱断面積にはHauser-Feshbachの公式、(n,d)および(n,t)反応断面積にはPearlsteinの経験式、9MeV以上の(n,)、(n,)反応断面積と、(n,n')、(n,n')、(n,n')、(n,n')反応断面積には、Pearlsteinの経験式と、これをとり入れた統計モデルの式が用いられた。弾性散乱断面積の評価値は、評価された全断面積からすべての評価部分断面積を差引いて求めた。得られた評価断面積は、実験データと共にグラフに示し、また数値表にまとまられている。